年少者の労働時間・休憩・休日に関する制限(法第60条)|労働基準法

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労働基準法

年少者の健康及び福祉の確保等の観点から、労働時間・休憩・休日に関して、制限を設けて保護を図っています。
児童(15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者)と年少者(満18歳未満の者)を区別して覚えることが必要です。

 

年少者の労働時間・休憩・休日に関する制限(法第60条)

 

Ⅰ 第32条の2から第32条の5[変形労働時間制]まで、第36条[労使協定による時間外及び休日労働]、第40条[労働時間及び休日の特例]及び第41条の2[高度プロフェッショナル制度]の規定は、満18才に満たない者については、これを適用しない

Ⅱ 第56条第2項[最低年齢の例外]の規定によって使用する児童についての第32条[法定労働時間]の規定の適用については、同条第1項中「1週間について40時間」とあるのは「修学時間を通算して1週間について40時間」と、同条第2項中「1日について8時間」とあるのは「修学時間を通算して1日について7時間」とする。

Ⅲ 使用者は、第32条の規定にかかわらず、満15歳以上満18歳に満たない者については、満18歳に達するまでの間満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く。)、次に定めるところにより、労働させることができる。

ⅰ 1週間労働時間が第32条第1項[週法定労働時間]の労働時間(40時間)を超えない範囲内において、1週間のうち1日労働時間4時間以内に短縮する場合において、他の日労働時間10時間まで延長すること。

ⅱ 1週間について48時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間、1日について8時間を超えない範囲内において、第32条の2[1箇月単位の変形労働時間制]又は第32条の4及び第32条の4の2[1単位の変形労働時間制]の規定の例により労働させること。

原則と例外
原則
例外
以下の規定は年少者に適用されない
・変形労働時間制
・労使協定による時間外・休日労働
・法定労働時間の特例(週44時間)
・業種等による休憩の特例
・高度プロフェッショナル制度
例外が認められる規定
1日の労働時間を4時間以内に短縮(その日を休日とする場合を含む)した場合、週40時間の範囲内で他の日を10時間まで延長可能*
・週48時間18時間を超えない範囲内での1箇月単位又は1単位の変形労働時間制*
・災害等・公務のため臨時の必要がある場合の時間外・休日労働
・年少者が法第41該当者の場合の時間外・休日労働
15歳の年度末(満15歳に達した日以後の最初の3月31日まで)を過ぎた年少者に限る。

変形労働時間制の取扱い

 年少者を変形労働時間制の下で使用することは、原則として禁止されていますが、満15歳の年度末を過ぎた年少者については、以下の通りの例外が認められています。


(1)1週間の労働時間が40時間を超えない範囲内において、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮(その日を休日とする場合を含む)すれば、他の日(1日に限らない)の労働時間を10時間まで延長することができます。


【例】
 完全週休2日制のように、法定休日の他に1日を休日とする場合(次図では土曜日が該当する)、その休日は「労働時間を4時間以内に短縮した日」に該当するので、他の日に10時間まで労働させてもよいことになります。
 また、「他の日」は1日に限らないので、週40時間の範囲内であれば、次図のように定めてもよいことになります。
合計
7時間
6時間
10時間
7時間
10時間
40時間
※「土」を4時間以内に短縮した日(労働時間0時間)
(2)1週間について48時間1日について8時間を超えない範囲内であれば、1箇月単位の変形労働時間制又は1年単位の変形労働時間制の規定の例により労働さえることができます。

時間外及び休日労働の取扱い

 原則として、年少者に時間外及び休日労働をさせることはできません。ただし、次の場合には年少者にも時間外及び休日労働をさせることができます。


(1)災害等又は公務のために臨時の必要がある場合


(2)年少者が法41条該当者*である場合


農業水産畜産業の事業に使用される年少者などである場合

週法定労働時間及び休憩の特例の適用除外

 年少者には週法定労働時間の特例(週44時間の特例)及び休憩の特例適用されないので、具体的には次のようになります。


(1)常時使用労働者数10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業の事業に使用される者であっても、年少者については、週40時間を超えて労働させることはできません。


(2)休憩を与えないでよいとされている長距離乗務員や日本郵便株式会社の営業所(簡易郵便局法に規定する郵便窓口を行う者に限る)の職員等であっても、年少者については、法定通りの休憩を与えなければなりません。


(3)休憩を一斉に与える必要のない業種であっても、年少者については、労使協定を締結しない限り、休憩は一斉に与えなければなりません。
災害等又は公務のために臨時の必要がある場合には、年少者にも時間外・休日労働をさせることができますが、36協定によって時間外・休日労働をさせることはできません。

児童の労働時間に関する制限

■児童の法定労働時間
児童以外の原則の
法定労働時間
児童の法定労働時間
1日
休憩時間を除き8時間
休憩時間を除き修学時間を通算して時間
1週間
休憩時間を除き40時間
休憩時間を除き修学時間を通算して40時間

参考通達

修学時間の意義

 修学時間とは、授業開始時刻から同日の最終授業終了時刻までの時間から休憩時間(昼食時間を含む)を除いた時間をいう。(昭和25.4.14基収28号、昭和63.3.14基発150号)

修学時間と労働時間

 児童の法定労働時間の範囲内で、児童を修学時間のない日(通常日曜日)に労働させることは、別に修学日に法第35条の法定休日を与えていれば差し支えない(修学日以外の日に休日を与えなくともよい。)(平成6.3.31基発181号)
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