業務上負傷の認定|労災保険

労働者災害補償保険法

業務上負傷の認定

負傷に対する業務上外の認定についての具体例は次の通りです。

作業中

作業中の災害の場合は、一般に業務災害とされます。また、使用者の私用を手伝っていたような場合でも業務災害と認められることが多いです。

 

【通達での取扱い】

事業主の私用である台風被害対策のための枝下ろし作業に従事した雑役夫の感電死、上司の雑用をしていた小使の死亡、作業中ハブに咬まれた配管工の負傷などが業務災害と認められています。

一方、人員整理に関し会社と労働組合との抗争中に被解雇者が強行就労し、作業中負傷した場合は、業務外とされています。 (昭和28.12.18基収4466号)

 

作業中断中

作業中断中の事故であっても、用便・飲水などの生理的行為に伴う災害の場合には業務災害とされています。

 

作業に伴う必要行為又は合理的行為中

作業に伴う必要行為又は合理的行為中と認められる場合には、業務災害とされます。反対に、作業に伴う必要又は合理的行為というより、私的又は恣意的行為とみなされる場合は業務外とされます。

 

作業に伴う準備行為又は後始末行為中

作業前あるいは作業後の事故であっても、業務に通常付随する準備行為又は後始末行為と認められる場合には業務災害とされます。

 

緊急行為

会社で緊急の事態が発生したり、近所の事業場で火災が起きた場合に行った労働者の緊急行為については、それが事業主の命令によるものであれば、業務従事中に行ったか否か、また、同僚労働者等の救護、事業場施設の防護など当該業務に従事している労働者として行うべきものであるか否かにかかわらず、私的行為ではなく、業務として取り扱われます。

一方、緊急行為が事業主の命令によるものでなくても、業務従事中の労働者が当該業務に従事している労働者として行うべきものを行ったときには、業務として取り扱われ、また、緊急行為が当該業務に従事している労働者として行うべきものでなくても、所定の要件を満たせば、業務として取り扱われます。さらに、緊急行為が事業主の命令によるものでなく、かつ、業務に従事していない間に行われた場合でも、当該緊急行為が「使用されている事業の事業場又は作業場等において災害が生じている際に、業務に従事している同僚労働者等とともに、労働契約の本旨に当たる作業を開始したもの」である場合には、業務に当たると推定するものとして取り扱われます。

 

休憩時間中

休憩時間中であっても事業主の支配・管理下にあると認められる場合には業務災害とされるが、このような場合でも積極的な私的行為が認められる場合には業務外とされます。

 

事業場施設の利用中

事業場施設を利用中の災害も業務災害とされる場合が多い。

【通達での取扱い】

寄宿舎浴場の電気風呂で入浴中の感電死、船中の給食による漁船乗組員の食中毒、事業場の火災による住込み労働者の焼死、事業場附属寄宿舎の火災による焼死などが業務災害と認められています。

施設内事故については、設備の欠陥や施設の管理状況が原因で発生している場合にはおおむね業務災害と認定されており、通路の不完全による労働者の墜落死を業務災害と認定する通達があります。

 

出張中

出張中は、事業主の管理下にはないものの、事業主の支配下にあり業務に従事しているので業務災害の対象となります。

【通達での取扱い】

① 自宅と出張地の途上での災害も業務災害(通勤災害ではない)であり、自宅から直接用務地に向かう途中の事故、出張地から直接自宅に帰る途中の事故、発電所員が豪雨のため社宅で待機すべく出張先から戻る途中の転落事故などを業務災害としています。

② 積極的な私的行動や恣意的行動による事故の場合は、業務外とされる場合があり、出張地で催し物を見物しその帰途において生じた自動車事故を業務外としています。

③ 急性伝染病流行地に出張して感染した場合、出張途上でトラックに便乗した労働者の転落事故、出張地で風土病にかかった場合などが業務災害と認められています。

 

通勤途上

通勤途上の災害については、通常は通勤災害の対象となるが、事業主の支配下にあると認められる場合には業務災害の対象となります。

【通達での取扱い】

「業務の性質を有するもの」の具体例としては、事業主の提供する専用交通機関を利用しての通勤、突発的事故等による緊急用務のため、休日又は休暇中に呼出しを受け予定外に緊急出勤する場合がこれにあたる。 (平成28.12.28基発1228第1号)

建設労働者が宿舎から工事現場に行く途中の渡舟転覆事故、通常の出勤時刻に突発事故のため未出勤者が出勤督励を受け、現場へ行く途中の事故などが業務災害とされています。

 

レクリエーション行事出席中

運動競技会、宴会、慰安旅行、懇親会などの行事に出席中の事故であっても、実質的に職務として参加しているような場合など業務遂行性が認められる場合には業務災害の対象となり得ます。

 

療養中

療養中の事故については、一般的には業務災害の対象とはならないが、事故と業務上の負傷に相当因果関係が認められる場合には業務災害と認定されます。

 

天災地変による災害

天災地変による災害について通達は、「天災地変に際して発生した災害も同時に災害を被りやすい業務上の事情があり、それが天災地変を契機として現実化したものと認められる場合に限り、かかる災害について業務起因性を認めることができる」としています。

 

他人の故意に基づく暴行による負傷

業務に従事している場合において被った負傷であって、他人の故意に基づく暴行によるものについては、当該故意が私的怨恨に基づくもの、自招行為によるものその他明らかに業務に起因しないものを除き、業務に起因するものと推定することとされます。なお、通勤途上で他人の故意に基づく暴行により被った負傷についても同様であり、通勤によるものと推定することとされています。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました