社労士に受かるための学習サイト|社労士試験独学で合格への道

当サイトは、社会保険労務士資格取得を独学で目指す方への学習サイトです。数多くの受験生が合格受かることが)できるよう各科目についてわかりやすく条文ごとに解説しているつもりです。社会保険労務士を目指す方の一助となることを心より願っております。


最新記事

社会保険労務士は、将来魅力的な資格である

 かつては、マイナーな資格であった社会保険労務士も社会的認知度が向上しています。
「消えた年金問題」「年金の支給開始年齢の引き上げ案」等がマスコミに取り上げられ、年金に対する国民の関心が喚起されたことが影響していると思われます。

また、昨今では「公的年金だけでは老後に約2,000万円不足」や「サービス残業」「過労死」「ハラスメント」等、とかくマスコミに騒がれるようになりました。2019年度からの働き方改革も含めて、労働法に関する関心も高まり、社会保険労務士という国家資格を知る方も多くなってきました。

 そういった中で、受験者数も平成11年から4万人を超え、増加傾向です。ここ最近は5万人弱が続いています。
年金や労働法関連を深く知りたいという方が、社会保険労務士を目指すようになってきたものと推測されます。
社会保険労務士という存在に対しては、年金の専門家としての認知度はもちろん、労働問題を解決する「人事労務の専門家」のニーズとしても認知度がアップしています。

今後も、社会保険労務士が取り扱う法律は頻繁に改正されていくでしょう。

以上のことから、社会保険労務士は、将来魅力的な資格であると思います。

資格取得は、夢へのステップアップです。ぜひ夢への実現を目指していきましょう!

国家資格 社会保険労務士は、中小企業の強い味方!

社会保険労務の仕事の中心となる手続き業務は主に中小企業を相手として行います。
大企業では、総務部や人事部があり、 そこで社員に関する各種手続きを行っています。

たとえば、健康保険及び厚生年金保険の被保険者及び70歳以上被用者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、7月1日現在で使用している全ての被保険者及び70歳以上被用者に4月、5月,6月に支払った賃金を、「算定基礎届」という書類を作成し届出が必要になります。厚生労働大臣は、この届出内容に基づき、毎年1回標準報酬月額を決定します。これを定時決定といいます。

「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)の各月に適用されます。
納める保険料の計算や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。

大きな会社では総務部や人事部の人が専門に行っていますが、社員数が10名以下の会社等では、これらの手続きがわかっている人がいないケー スがほとんどで、これらの手続きを社会保険労務士に代行してもらっているのが実情だと思います。

したがって、社会保険労務士中小企業の味方なのです。

社会保険労務士試験の学習法

独学で合格した私の経験を基に最も効果的であった学習法を記載します。あくまでも個人的意見です。皆さんにあった学習法がベストですが、学習法の一助としてください。
社会保険労務士試験は法律の勉強です。法律を学習するうえでは、「木を見て森を見ず」ではなく全体を通してみることが重要になります。法律の全体条文のなかで、今どこを学習しているのか?を意識してください。今、学習している条文の解釈がわからなくても全体を通して意味が分かってくることもあります。あせらずに進めていきましょう。
教材のテキストは、大手資格校のテキストが良いと思いますが、テキストのみの販売はしていないと思います。
なかなか理解できない項目、例えば年金の『内払いと充当の違いがどうも理解できない』といった場合、書店で資格校の本を比較してみて、その『内払いと充当』の項目が、自分にとって一番理解できるテキストを探すのも手です。

私の場合は、科目ごとに

テキストを一読
過去問を解く
③理解できないところはテキストで確認、似たような箇所は比較整理する
過去問を数回繰り返す

次の科目に移り、①~④を繰り返す。
全科目終了した時点で、科目共通項目の横断学習。これで理解が深まります

①過去問を解く

択一式の問題では、「正しいものはどれか」「誤っているものはどれか」という問題がほとんどです。つまり正誤判断をさせる問題です。そこで過去問を解く中で、正誤判断をさせる箇所を見極めることが必要です。「どこを聞いているのか?」「何を聞いているのか?」などを早く探り当てる訓練をしましょう。

あいまいな問題演習を繰り返していても、合格には近づけません!

②比較整理をする(比較表で覚える)

同じ法律内での共通項目を、比較することです。
労働基準法を例にとると、頻出問題で「労働条件の明示事項」と「就業規則の絶対的必要記載事項」があります。この2つは、比較整理することで理解が深まります。労働時間に関する事項や賃金に関する事項等は共に記載は必要ですが、労働契約の期間に関する事項は、「労働条件の明示事項」には記載は必要ですが、「就業規則の絶対的必要記載事項」には必要ありません。
ただ単に暗記するのではなく、なぜだろうと疑問に思うことです。「労働条件の明示」は採用時、「就業規則」は働くことになった後の共通のルールだからですね。下表をご覧ください。絶対的明示事項で、「労働条件の明示」のみの項目が、①~③、④の所定労働時間を超える労働の有無となります。比較整理するとわかりやすいですね。

労働条件の明示事項就業規則の記載事項
絶対的明示事項労働契約の期間に関する事項

期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項*

就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

賃金(退職手当及び⑧に規定する賃金を除く。以下⑤において同じ。)の決定、計算及び支払の時期並びに昇給に関する事項

退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

賃金(臨時の賃金を除く。以下②において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

③横断整理する

 社労士試験では、労災保険、雇用保険、厚生年金保険、国民年金保険等、保険に関する法律が一定割合を占めます。
保険の法律は、似たような制度になっているため、学習していると頭のなかが混乱してきます。同じような項目を横断的に比較整理することで対処できます。同じ項目には、適用事業・任意適用事業、保険者・強制被保険者、任意加入被保険者、時効制度等あります。多くの法律に共通している項目や似たような制度が、複数の法律にある場合は横断学習が有効的です。

【書類の保存(例)】

労働基準法労働安全衛生法労働者災害補償保険法雇用保険法労働保険徴収法社会保険
2年雇用保険に関する書類(雇用安定事業等・徴収法による書類を除く)・健康保険に関する書類
・厚生年金保険に関する書類
3年・労働者名簿
・雇入れ・退職に関する書類
・賃金台帳
・災害補償に関する書類
・賃金その他労働関係に関する重要な書類
・労使委員会の議事
・安全委員会・衛生委員会、又は安全衛生委員会における議事で重要なものに係る記録
・特別教育の記録
・作業環境測定の結果と記録
・作業環境測定の結果の評価の記録
・労災保険に関する書類(徴収法による書類を除く)・徴収法による書類
・労働保険事務処理委託事業主名簿
・労働保険料等徴収法及び納付簿
4年被保険者に関する書類雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿(労働保険事務組合が備える)
5年健康診断個人票
面接指導の記録
・作業環境測定の結果の記録(放射線)

上表を見るとすっきりしますね!
《上表でわかること》
・書類の保存は、雇用保険、社会保険以外は基本3年。
・雇用保険、社会保険は基本2年。
・例外の4年と5年を覚える。⇒被保険者に関する書類。

これで、書類の保存期間については覚えることができましたね。

 

『年金博士』と称される北村庄吾氏の著作で、難関社労士試験に一発で受かる秘訣を網羅した書籍が、
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社会保険労務士試験 合格率は?

過去10年分の社労士試験の合格率をまとめてみました。

上表をご覧いただければわかると思いますが、過去10年間の合格率は1桁となっており、特に平成27年度に限っては、合格率2.6%という過去最低の合格率となっています。社労士試験は難易度が高い資格といえるでしょう!

理由として考えられるのは、社労士試験は学習科目も多く、1つの科目が合格点を満たしたからといって翌年に科目免除にもなりません。中小企業診断士試験では、60点以上を取った科目は、科目合格となり、翌年から2年間免除申請が可能ですが、社労士にはありません。合格しなければ翌年は一からリスタートです。

したがって、1年間、効率のよい学習法が必要になるわけです。

社会保険労務士試験を受験するためには受験資格が必要です

社会保険労務士試験を受験するためには、受験資格が必要です。受験資格は、主に1.学歴、2.実務経験、3.厚生労働大臣の認めた国家試験合格の3つに分けられます。
代表的なものでは、以下のとおりです。詳細は社会保険労務士試験オフィシャルサイトをご覧ください。

  1. 学歴
    学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学、専門職大学、専門職短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者又は専門職大学の前期課程を修了した者(専攻の学部学科は問わない)
  2. 実務経験
    労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員(非常勤の者を除く。)又は従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
  3. 厚生労働大臣の認めた国家試験合格
    行政書士となる資格を有する者

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今注目の資格【将来有望】キャリアコンサルタント(国家資格)

2016年4月より創設された国家資格で、個々人の適性や職業経験に応じて職業設計を行い、これに即した職業選択や能力開発を効果的に行う専門家で職業のミスマッチをなくします。キャリアコンサルタントは、企業の人事・教育関連部門、大学のキャリアセンター、公的就業支援機関、人材紹介・人材派遣会社など、幅広い分野で必要とされています

2025年までを目標とした「キャリアコンサルタント10万人計画

 

年齢階層別の最低・最高限度額|労災保険

年齢階層別の最低・最高限度額

趣旨

給付基礎日額は、原則として、算定事由発生日以前3箇月間に支払われた賃金を基礎として算定されることを前回学びました。

算定事由発生日以前3箇月間に支払われた賃金を基礎として算定されるため、賃金水準が一般的に低い若年時に被災した者の保険給付の額と賃金水準が一般的に高い壮年期(働き盛り)に被災した者の保険給付の額との間には大きな格差が生じ、特に長期間受給する年金給付などの場合、生涯にわたってその差が解消されない等の問題が起こりうります。

賃金変動によりスライド改定されても、上記で算定した給付基礎日額が元ですから、基礎日額が変わることはありません。ようするに若年期で被災したときのままです。

このような不均衡を是正すること等を目的として、一般労働者の年齢階層別の賃金構造実態等に基づき、給付基礎日額を年齢階層別の最低限度額と最高限度額の範囲内に収めることとされています。

具体的には、算定した給付基礎日額が次表の年齢階層別の最低・最高限度額の範囲内にあるときは、その算定した給付基礎日額を用い、最低限度額を下回るときは最低限度額を、最高限度額を上回るときは最高限度額を、それぞれ給付基礎日額とします。

なお、年齢階層別の最低・最高限度額には、

⑴  長期療養者の休業給付基礎日額に係る年齢階層別最低・最高限度額

⑵  年金給付基礎日額に係る年齢階層別最低・最高限度額

の2種類があり、どちらも下表の限度額を適用します。

最低・最高限度額が適用される保険給付

年金たる保険給付及び療養開始後1年6ヶ月を経過した方に支給する休業(補償)給付(以下「労災年金給付等」という。)については、被災時の年齢による不均衡の是正を図ることなどのため、その算定に係る給付基礎日額について年齢階層別の最低・最高限度額を設けています。年齢階層別最低限度額が最低保障額(自動変更対象額)を下回った場合には、最低保障額(自動変更対象額)に置き換えることになっています。

 

■平成30年8月から平成31年7月までの最低・最高限度額

年齢階層の区分最低限度額最高限度額
20歳未満4,892円13,264円
20歳以上25歳未満5,475円13,264円
25歳以上30歳未満6,000円14,226円
30歳以上35歳未満6,379円17,257円
35歳以上40歳未満6,749円19,022円
40歳以上45歳未満7,031円21,365円
45歳以上50歳未満7,075円23,267円
50歳以上55歳未満6,902円25,192円
55歳以上60歳未満6,414円24,757円
60歳以上65歳未満5,213円19,737円
65歳以上70歳未満3,940円14,973円
70歳以上3,940円13,264円

(平成30年厚労告286号)

・ 年齢階層は、20歳未満と20歳以上70歳未満を5歳ごと及び70歳以上とに12の階層に区分され、それぞれの階層ごとに最低・最高限度額が設定されています。(則9条の3)

・ 年齢階層別の最低・最高限度額は、賃金構造基本統計をもとに設定され、その年の8月から翌年7月まで用いる限度額が毎年7月31日までに告示されることになっています。

 

スライド改定のまとめ|労災保険

今まで、休業給付基礎日額、年金給付基礎日額、一時金たる保険給付、特別給与を算定基礎とする特別支給金のスライドを学習してきました。

スライド制とは、現金給付による保険給付が長期にわたって行われる場合、その間の賃金(平均給与額)の変動に応じて給付基礎日額を改定することでしたよね。

このスライド制は、公的な制度での年金や保険給付であるから実現されるものであり、私的な年金や保険給付では考えられませんね。(現在価値に置き換えてくれる機能といえます)

それでは復習の意味で、スライド改定を表にまとめてみました。

スライド改定のまとめ

スライド対象保険給付等指標変動要件
休業給付基礎日額のスライド・休業(補償)給付

・休業特別支給金

「労働者が被災した日の属する四半期(スライド改定が既に行われている場合には、その改定の基礎となった四半期)の平均給与額」に対する「四半期ごとの平均給与額」の比率10% 超の変動
年金給付基礎日額のスライド年金たる保険給付

一時金たる保険給付

特別給与を算定基礎とする特別支給金

「労働者が被災した日の属する年度の平均給与額」に対する「年金たる保険給付を支給すべき月(一時金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月)の前年度(4月から7月は前々年度)の平均給与額」の比率完全自動賃金スライド

特別支給金のうち、傷病特別支給金、障害特別支給金、遺族特別支給金はスライド制の適用はありません。

特別給与を算定基礎とする特別支給金のスライド|労災保険

特別給与を算定基礎とする特別支給金のスライド

(支給金則6条3項、同則附則6項)

ボーナス特別支給金ともいわれています。
給付基礎日額にボーナス等の特別給与が含まれていないのを補完し、労働者の稼得能力をより適切に反映していこうとするものである。ボーナス特別支給金の額は算定基礎日額に基づいて計算され、その基礎となるのが算定基礎年額である。

 特別給与を算定基礎とする特別支給金である傷病特別年金障害特別年金障害特別一時金障害特別年金差額一時金遺族特別年金又は遺族特別一時金についても年金給付基礎日額と同様のスライド率を用いて改定する。〕。

そもそも特別支給金とは何なのでしょうか?

特別支給金(支給金則)

特別支給金は労働福祉事業の一環として被災労働者又はその遺族に対して支払われるものである。

下表のように各保険給付の上乗せ給付として支給されるしくみになっています。

そのうちのボーナス特別支給金に関して、年金給付基礎日額と同様のスライド制が適用されると言っているのです。

保険給付一般の特別支給金ボーナス特別支給金
休業(補償)給付休業特別支給金
障害(補償)給付障害特別支給金障害特別年金
障害特別一時金
障害特別年金差額一時金
遺族(補償)給付遺族特別支給金遺族特別年金
遺族特別一時金
傷病(補償)年金傷病特別支給金傷病特別年金

傷病特別支給金、障害特別支給金、遺族特別支給金は、スライド制の適用はありません。

一時金たる保険給付のスライド|労災保険

一時金たる保険給付のスライド (法8条の4)

 

後に説明しますが、労災保険の保険給付には多種多様なものがあります。

療養(補償)給付、休業(補償)給付、傷病(補償)年金、障害(補償)給付、遺族(補償)給付、葬祭料(葬祭給付)、介護(補償)給付、二次健康診断等給付がありますが、その中には、業務災害又は通勤災害による傷病が治った後に障害等級第8級から第14級までのいずれかに該当する障害が残った場合には一時金として支給される保険給付があります。その一時金にもスライド制が適用されます。

一時金でなぜスライド制が適用されるのか?『一時金は1回限り』なのにと疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、算定事由発生日(被災日)と保険給付が行われる日が被災してから何年後ということもあり得るからと理解してください。

例えば、仕事または通勤しているときにおきた災害による傷病が治ゆしても、身体に一定の障害が残った場合に障害(補償)給付が支給されます。障害補償給付には障害の程度(第 1 級から第 14 級までの 14 段階に分類されます)により障害補償年金
と障害補償一時金の2種類に分けられます。傷病が治癒した後ですから、被災日と異なりますよね。

労働者災害補償保険法 法8条の4

第8条の3第1項[年金給付基礎日額のスライド]の規定は、障害補償一時金若しくは遺族補償一時金又は障害一時金若しくは遺族一時金の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額について準用する。

この場合において、同項中「の分として支給する」とあるのは「に支給すべき事由が生じた」と、「支給すべき月」とあるのは「支給すべき事由が生じた月」と読み替えるものとする。

スライド改定方法

障害(補償)一時金又は遺族(補償)一時金の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額についても、年金給付基礎日額と同様のスライド改定が行われる。

また、障害(補償)年金前払一時金障害(補償)年金差額一時金遺族(補償)年金前払一時金又は葬祭料(葬祭給付)についても同様のスライド改定が行われる。

(則17条、則18条の11、則附則19項、則附則24項カッコ書、則附則31項カッコ書、則附則36項、

則附則37項、則附則40項)

年金給付基礎日額と同様であり、休業給付基礎日額のスライドではありません。

年金給付基礎日額のスライド|労災保険

年金給付基礎日額のスライド

前回は休業補償給付のスライド制について解説しましたが、今回は年金となります。
復習になりますが、労災保険年金額については、原則として算定事由発生日(被災日)の賃金を基に算定した給付基礎日額に給付の種類等に応じた給付日数を乗じて算定されています。しかしながら、年金は長期にわたって給付することになるため、被災時の賃金によって補償を続けていくとすると、その後の賃金水準の変動が反映されないこととなり、また、過去に被災した労働者と近年被災した労働者との補償水準が大きく異なってくる等、公平性を欠くこととなります。このため、労災保険においては、給付基礎日額を賃金水準の変動に応じて改定する制度(スライド制)を取り入れています。

休業補償給付の給付基礎日額と対比しながら覚えてください。
改定時の算定期間が、四半期なのか年度なのか?を覚えれば記憶できると思います。

労働者災害補償保険法(法8条の3,1項)

年金たる保険給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額(以下「年金給付基礎日額」という。)については、次に定めるところによる。

1 算定事由発生日の属する年度(4月1日から翌年3月31日までをいう。)の翌々年度7月以前の分として支給する年金たる保険給付については、第8条の規定により給付基礎日額として算定した額を年金給付基礎日額とする。

2 算定事由発生日の属する年度の翌々年度8月以後の分として支給する年金たる保険給付については、第8条の規定により給付基礎日額として算定した額に当該年金たる保険給付を支給すべき月の属する年度の前年度(当該月が4月から7月までの月に該当する場合にあっては、前々年度)の平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者1人当たりの給与の平均額をいう)を算定事由発生日の属する年度の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率を乗じて得た額を年金給付基礎日額とする。

条文では、2つの期間に区切られています。
1.被災日(算定事由発生日)~翌々年の7月分まで
2.翌々年の8月から

条文を読むと、わかりずらいですよね。例で説明します。

【例】

年金給付基礎日額は、算定事由発生日の属する年度の翌々年度の8月以後の分として支給される年金たる保険給付の額の算定に用いるものから、スライド改定が行われる。算定事由発生日の属する年度をイ年度、その翌年度をロ年度、翌々年度をハ年度、翌々翌年度をニ年度…としていくと、ハ年度の8月以後に支給される年金たる保険給付

からスライド改定が行われ、スライド改定された年金給付基礎日額は、ハ年度の8月からニ年度の7月まで用いられます。

当該期間については、イ年度とロ年度の平均給与額を算出し、ロ年度の平均給与額をイ年度の平均給与額で除して得た率を基準として厚生労働大臣が定める率をスライド率とし、当初の給付基礎日額に当該スライド率を乗じて改定後の年金給付基礎日額とします。

ニ年度の8月以後ホ年度の7月までの年金給付基礎日額は、その前年度であるハ年度の平均給与額をイ年度の平均給与額で除して得た率を基準として算定されたスライド率が乗じられたものとなります(次図参照)。

比較対象の基礎は、必ず算定事由発生日の年度(イ年度)となります。

※  休業給付基礎日額のスライド改定と異なり、常に算定事由発生日の属する年度の平均給与額と比較する。

算定事由発生日(被災日)の属する年度の翌々年度8月以後から改定
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