法定労働時間(法32条、則25条の2)

 

労働基準法
 これから、「法定労働時間」について学習していきます。
「法で定められた労働時間」という意味で「法定労働時間」と呼びます。
 これに対し、事業場において就業規則などで定めた労働時間を、一般に「所定労働時間」と呼び、使い分けています。この「法定」「所定」を混同しないように必ず理解してください。
「法で定めた労働時間」も原則と例外があります。特例として、労働基準法の原則どおりの法定労働時間では、業種などによっては、不都合が生ずる可能性があるため、必要な限度で労働時間の基準に特例が設けられています。今回学習する特例もその一つですが、今後学習する変形労働時間制、フレックスタイム制などの制度もあります。

法定労働時間(法32条、則25条の2)

 

(労働基準法 第32条)
 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
(労働基準法施行規則 第25条の2)
 使用者は、法別表第1第8号[商業]、第10号[映画・演劇業映画の製作の事業を除く。)]、第13号[保健衛生業]及び第14号[接客娯楽業]に掲げる事業のうち常時10人未満労働者を使用するものについては、法第32条の規定にかかわらず、1週間について44時間1日について8時間まで労働させることができる

法定労働時間

労働基準法で定める労働時間の最長限度を法定労働時間といいます。なお、この法定労働時間を基準として、各事業所において定められている労働時間所定労働時間という。
法定労働時間の原則と特例措置は次の通りである。

原則

1週間:休憩時間を除き40時間
1 日:休憩時間を除き時間

特例

使用する労働者数が常時10人未満の次に掲げる事業については、1週44時間、1日時間
  1. 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸または理容の事業[商業
  2. 映画の映写、演劇その他興行の事業(映画の製作の事業を除く)映画・演劇業
  3. 病者または虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業[保健衛生業
  4. 旅館、料理店、飲食店、接客または娯楽場の事業[接客娯楽業

1週間とは

 「1週間」とは、就業規則その他に別段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいう。(昭和63.1.1基収1号)

1日とは

 「1日」とは、午前零時から午後12時までのいわゆる暦日をいうものであり、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。(昭和63.1.1基収1号)
上記の通達により、2暦日の継続勤務をしたような場合は翌日の始業時刻までの労働が前日の勤務とされます。(下記【例2】の場合)

【例1】継続勤務が2暦日にわたっている場合

16時間隔日勤務制において労働時間が午前0時をはさんで前後8時間づつある場合。
  ⇒暦日原則で見れば1日8時間と解せなくもないが、前日から続く16時間労働とする。

 

【例2】継続勤務が翌日の始業時刻まで及んだ場合

所定労働時間8時間、始業時刻午前9時、終業時刻午後6時、休憩1時間の会社
午前9時から翌日の午後12時まで働いた場合
 ⇒翌日の始業時刻で一旦打切り、翌日の始業時刻からは通常の労働時間の開始として計算します。
1日目:午前9時~翌日の午前9時(21時間労働(休憩3時間))
2日目:翌日午前9時~午後12時(3時間労働)
 

参考通達

3交代制連続作業における1日の取扱い

 「1日」は、暦日を原則とするが、連続3交代勤務の場合の2暦日にわたる1勤務は始業時刻が属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。
  • 1番方と2番方…2暦日にまたがって労働していない(第1日目の中で労働している)ので、第1日目の始まりから終わりまでが、1番方・2番方の1日となる。
  • 3番方…第1日目の23時から第2日目の7時の間で労働している(2暦日にまたがって労働している)ので、始業時刻の属する日(第1日目)の労働時間を含む継続24時継続24時間を1日とする。(昭和42.12.27基収5675号、平成11.3.31基発168号)

    労働時間及び休憩の特例

    (1)別表第11号から第3号まで、第6号及び第7号に掲げる事業(製造業、鉱業、建設業、農林業及び水産・畜産業)以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要のあるものについては、その必要避くべからざる限度で、第32条から第32条の5までの労働時間及び第34条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。

    (2)(1)の規定による別段の定めは、労働基準法で定める基準に近いものであって、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。
    労基法は、すべての事業に適用されることが原則ですが、事業の性格等によっては、労働時間や休憩に関する原則的規定を適用しますと公衆に不便をもたらす等の不都合も生じうることから、法定労働時間制、変形労働時間制及び休憩について、厚生労働省令により特例を定められることとしたものです。

    休憩の一斉付与の適用除外 

    運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署(則第31条) 

    休憩を与えないことができる

    1. 運送事業又は郵便事業に使用される労働者のうち、列車、気動車、電車、自動車、船舶又は航空機に乗務する乗務員で長距離にわたり継続して乗務するもの
    2. 郵便又は電気通信事業に使用される労働者で屋内勤務者30人未満の郵便局において
    3. 郵便、電信又は電話の業務に従事するもの
    4. 乗務員で1に該当しないものについては、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しによる待合せ時間その他の時間の合計が休憩時間に相当するとき(則第32条)

    【休憩を自由に与えなくてもよい】

    1. 警察官、消防吏員、常勤の消防団員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者(所轄労働基準監督署長の許可不要)
    2. 乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者(所轄労働基準監督署長の許可が必要)(則第33条)

 

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