労働者災害補償保険法
適用労働者
労災保険法の適用を受ける労働者のことを「適用労働者」といいます。原則として、すべての労働者が対象となります。
適用労働者の範囲
労災保険制度は、労働者のための保険であり、原則として、労働者であれば、常用雇用労働者に限らず、臨時雇、日雇、アルバイト、パートタイマー、試用期間中の者など雇用形態にかかわらず、すべての労働者が適用対象となります。労働基準法第9条に規定する労働者と同義となります。したがって、個人事業主、法人の代表取締役は適用労働者とはならず、また、同居の親族も原則として適用労働者とはなりません。
複数就業者
2以上の事業に使用される者は、それぞれの事業において適用労働者となる。
派遣労働者
労働者派遣事業に対する労災保険法の適用については、派遣元事業主の事業が適用事業とされます(派遣元事業主の事業に係る保険関係により適用労働者となる。)。(昭和61.6.30基発383号)
出向労働者
在籍型出向労働者(出向元事業との雇用関係を存続したまま出向する労働者)の労災保険法の適用については、出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行った契約並びに出向先事業における出向労働者の労働の実態等に基づき、当該労働者の労働関係の所在を判断して、その者に係る保険関係(労災保険に関する法律関係)が出向元事業と出向先事業のいずれにあるかを決定します。
移籍型出向労働者(出向元事業との雇用関係を終了させて出向する労働者)の場合は、出向先とのみ労働契約関係があるので、労災保険法の適用については、出向先事業主の
事業に係る保険関係により取り扱われる。
(昭和35.11.2基発932号、昭和61.6.6基発333号、昭和61.6.30基発383号)
外国人労働者
外国人労働者であっても、適用事業に使用され、賃金を支払われる者は、出入国管理及び難民認定法による在留資格ないし就労資格を有しない不法就労者であっても、適用労働者となります。
国外就労者
労災保険法は国外の事業には適用されませんので、国外の事業に使用される者である海外派遣者は、労災保険法の適用を受けません(ただし、特別加入者になることができる場合はあります。)。
一方、海外出張者については、国内の事業に使用される者が国外において業務を遂行しているにすぎないので、原則として、労災保険法の適用を受けます。
また、日本企業の海外支店等で、現地採用された日本人職員は、適用労働者とならません。 (昭和52.3.30基発192号)
在宅勤務者
労働者が在宅勤務(労働者が、労働時間の全部又は一部について、自宅で情報通信機器を用いて行う勤務形態をいう。)を行う場合においても、労災保険法が適用されることになります。 (平成20.7.28基発0728001号)


