傷病(補償)年金
傷病(補償)年金は、業務または通勤が原因となった負傷や疾病の療養開始後1年6か月を経過した日またはその日以後、次の要件に該当するとき、傷病補償年金(業務災害の場合)または傷病年金(通勤災害の場合)が支給されます。
(1)その負傷又は疾病が治っていないこと。
(2)その負傷又は疾病による障害の程度が傷病等級表の傷病等級に該当すること。
支給要件 (法12条の8,3項)
傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6箇月を経過した日において次のⅰⅱのいずれにも該当するとき、又は同日後次のⅰⅱのいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
ⅰ 当該負傷又は疾病が治っていないこと。
ⅱ 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
【傷病年金(法23条1項)】
傷病年金は、通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6箇月を経過した日において次のⅰⅱのいずれにも該当するとき、又は同日後次のⅰⅱのいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。
ⅰ 当該負傷又は疾病が治っていないこと。
ⅱ 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること。
療養(補償)給付、休業(補償)給付との関係
傷病(補償)年金は、休業(補償)給付に切り替えて支給される給付なので、両者が併給されることはない。また、両者とも療養(補償)給付と併給される。さらにその後、傷病が治ゆしないが傷病等級に該当しなくなった場合は、再び休業(補償)給付に切り替えられる。
【例1】療養開始後1年6箇月を経過した日に傷病が治ゆせず、かつ、傷病等級に該当している場合
⇒療養開始後1年6箇月を経過した日から傷病(補償)年金を支給
【例2】療養開始後1年6箇月を経過した日には支給要件に該当していなかったが、その後支給要件に該当した場合
⇒支給要件に該当した日から傷病(補償)年金を支給
【例3】療養開始後1年6箇月を経過した日には支給要件に該当していたが、その後傷病等級不該当となり、再び休業(補償)給付に切り替えられる場合
⇒傷病等級不該当となった日から休業(補償)給付を支給。
傷病等級
厚生労働省令で定める傷病等級とは次の通りである。
傷病等級 | 障害の状態 |
第1級 | ①神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの ②胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの ③両眼が失明しているもの ④そしゃく及び言語の機能を廃しているもの ⑤両上肢をひじ関節以上で失ったもの ⑥両上肢の用を全廃しているもの ⑦両下肢をひざ関節以上で失ったもの ⑧両下肢の用を全廃しているもの ⑨①から⑧に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの |
第2級 | ①神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの ②胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの ③両眼の視力が0.02以下になっているもの ④両上肢を腕関節以上で失ったもの ⑤両下肢を足関節以上で失ったもの ⑥①から⑤に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの |
第3級 | ①神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの ②胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの ③一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になっているもの ④そしゃく又は言語の機能を廃しているもの ⑤両手の手指の全部を失ったもの ⑥①又は②に定めるもののほか常に労務に服することができないものその他①から⑤に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの |
・ 上記の障害の程度は、6箇月以上の期間にわたって存する障害の状態によって認定される。


