今回は公的年金制度の世代間扶養のしくみについて解説していきます。
個人的な年金は、自分の将来のために保険料を積み立てておいて、将来積み立てたお金
から年金を支払います。皆さんもそれを想像すると思いますが、公的年金は違います。
具体的に見ていきましょう。
公的年金のしくみはどうなっているのか?
公的年金は加入している人や会社から保険料を徴収し、それをおもな原資として、給付要件に該当した人に支払っています。給付要件に該当した人とは、老齢に達した人やある一定以上の障害状態になった人、不幸にして死亡した加入者の遺族を指します。
この方式を「保険方式」といいます。
また、老齢年金をもらう人の原資を若い世代の人たちの保険料で賄っていますが、そのしくみを「世代間扶養」といいます。正式には「世代間扶養の賦課方式」と言います。
現在は、若年・壮年の人口が減っていく一方で老年の世代の人口が増えていく少子高齢化の時代である。このような少子高齢化の時代では、世代間扶養の年金制度は機能しないと叫ばれています。
世代間扶養を維持するためには、現役世代が全員強制加入し、保険料を確実に支払っていくことが必要になります。
世代間扶養(世代間扶養の賦課方式)のしくみ
- 世代間扶養の賦課方式を基本とする年金制度は、受給世代の年金給付費をその時の現役世代の保険料負担で賄うしくみであり、 現役世代の拠出した保険料はそのまま自分の将来の年金給付の原資となるものでない。
- すなわち、これから先のどの世代についても、現役時代に負担する保険料は、前世代の給付(過去の加入期間に対応する給付)の財源となり、 受給者となったときの年金給付費は、次世代の保険料負担で賄われることとなる。
- 一方、積立方式の考え方では、受給者の年金給付は、現役時代(過去の加入期間)の保険料拠出により積み立てられた積立金により賄われることとなる。
少子高齢化が進んでいる国の公的年金は、「賦課方式」から「積立方式」の採用、公的年金から私的年金への段階的移行が世界の潮流である。
積立方式と賦課方式の特徴
それでは、また次回をお楽しみに!!

