受給資格期間は25年から10年に!老齢基礎年金の支給要件

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受給資格期間

今回は、老齢基礎年金をもらうための要件について説明していきます。
老齢基礎年金は2階建の1階部分でしたよね。老齢基礎年金は国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の人で、年齢・加入期間などの条件を満たしていれば誰でももらえる老齢給付です。サラリーマンが年金をもらうときに、基礎部分という言い方をするのが、この老齢基礎年金です。

老齢基礎年金をもらうには、年齢・加入期間などの要件がある。

老齢基礎年金は、通常65歳からもらえる年金です。一定の条件を満たせば誰でももらえますが、「請求」しなければもらえません
年金をもらえる年齢になったからといって、何もしなくても自動的に金融機関の口座に振り込まれてくるものではないのです。この請求の手続きを「裁定請求」といいます。「裁定」とは、請求者が給付を受ける権利あるか否か等を判定することを指し、厚生労働大臣が行います。

老齢基礎年金は、原則として10年以上の加入期間が必要

老齢基礎年金をもらうためには、平成29年8月からは原則として10年以上の加入期間がなければなりません(受給資格期間という)。この10年以上の加入期間は、保険料を支払った期間(保険料納付済期間)と保険料免除期間(経済的な理由等で保険料を支払えない人が法律または申請により保険料を免除された期間)または合算対象期間(国民年金への加入が任意であった人が、当時任意加入しなかった期間など)の合わせた期間です。したがって、加入すべきなのに保険料を滞納していた期間は、加入期間としてカウントされません。

平成29年7月までは、25年以上の加入期間が必要とされていましたが(一部の特例を除く)、無年金者への救済措置と現役世代の加入促進を目的として、平成29年8月から受給資格期間が見直されることになりました。この変更によって、受給資格期間が10年以上となり、新たに約64万人が老齢基礎年金の支給対象となっています。画期的な改正でした。

保険料納付済期間とは

保険料は20歳から60歳になるまでの40年間納めることになります。原則として、この間に保険料を納めた期間を保険料納付済期間といい、納めなかった期間を保険料滞納期間といいます。これらの期間は、年金をもらうための資格や年金額に大きく影響されます。
「保険料納付済期間」という用語は専門用語であって、常に保険料を支払った期間だけを指すのではありません。第1号被保険者の場合は原則どおり保険料を支払った期間でよいのですが、第2号被保険者や第3号被保険者は、少し意味合いが違ってきます。以前、説明したように、第2号被保険者や第3号被保険者は、個別に国民年金の保険料を支払うことはないからです。それでも国民年金は全国民共通の基礎年金ですから、老齢基礎年金を支給しなければなりません。そこで、第2号被保険者や第3号被保険者の場合は、保険料納付済期間の定義を次のようにしました。

第2号被保険者

厚生年金保険の保険料を支払っている期間(20歳以上60歳未満の期間)

第3号被保険者

第2号被保険者に扶養されている奥さん(配偶者)だった期間
(第3号被保険者該当届を提出してから60歳までの期間)
※保険料は一切支払っていない

【資格期間と保険料納付済期間の整理】

資格期間」はあくまでも年金がもらえる資格があるかをみるための期間です。年金をもらうための資格期間は、最低10年必要です。⇒10年支払えばそれで終わりではない
よく耳にする「カラ期間」(合算対象期間)は「資格期間」を計算する上で含まれる期間ですが、年金額の計算には反映されません。それに対し、年金額を決定する期間が「保険料納付済期間」です。その人が加入可能な全期間(法律に基づき保険料を支払わなければならない全期間)のうち何年(正確には何か月)保険料を支払ったかによって、案分した年金額が支払われます。加入可能な全期間の保険料を支払っていれば満額となります。
保険料免除期間(ただし学生納付猶予期間は除く)については、全額免除の期間は保険料納付済期間の8分の4(平成21年3月までは6分の2)、4分の3免除の期間は8分の5(同6分の3)、半額免除の期間は8分の6(同6分の4)、4分の1免除の期間は8分の7(同6分の5)の額として計算されます。

それでは、また次回をお楽しみに!!

 

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