労働基準法の適用除外|労働基準法

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労働基準法
 労働者を1人でも雇用する場合、すべての事業者に労働基準法は適用されますが、同居の親族のみを使用する会社や、家事使用人、船員については例外とされています。
 同居の親族のみを雇用する会社は、家族のみの会社であり、使用者と労働者との間の明確な線引きができないため、労働基準法は適用されません。
 家事使用人とは、個人や法人に雇われる家政婦のことをさします(ただし、個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われて、その指揮命令の下に当該家事を行う者は、家事使用人に該当しません)が、家事使用人は、仕事内容が家事全般であり、どれだけ働き、どれだけ休憩したのかがはっきりしないため,労働基準法の適用外となっています。



労働基準法の適用除外

  1.  第1条から第11条まで、下記Ⅱ、第117条から第119条まで及び第121条の規定を除き、労働基準法は、船員法第1条第1項に規定する船員については、適用しない
  2.  労働基準法は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

船員法の適用を受ける船員

 労働基準法は、船舶による旅客又は貨物の運送の事業にも適用されるが、同法の特別法である船員法の適用を受ける船員については、その労働の特殊性を考慮し、同法中労働者全般に通ずる基本原則を定めた第1章[総則]の第1条から第11条まで及びこれに関する罰則規定を除いて、これを適用しない

<ご参考>
船員法第1条(船員)
1.この法律において「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう。

2.前項に規定する船舶には、次の船舶を含まない。
 一 総トン数5トン未満の船舶
 二 湖、川又は港のみを航行する船舶
 三 政令の定める総トン数30トン未満の漁船
 四 前3号に掲げるもののほか、船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)第2条第4項に規定する小型船舶であつて、スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートその他のその航海の目的、期間及び態様、運航体制等からみて船員労働の特殊性が認められない船舶として国土交通省令の定めるもの

3.前項第2号の港の区域は、港則法(昭和23年法律第174号)に基づく港の区域の定めのあるものについては、その区域によるものとする。ただし、国土交通大臣は、政令で定めるところにより、特に港を指定し、これと異なる区域を定めることができる。

 

同居の親族のみを使用する事業

同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものであり、原則として労働基準法上の労働者には該当しない
ただし、同居の親族であっても、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において一般事務又は現場作業等に従事し、かつ、次の(1)及び(2)の条件を満たすものについては、一般に私生活面での相互協力関係とは別に独立した労働関係が成立しているとみられるので、労働基準法上の労働者として取り扱うものとする。

(1)業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。
(2)就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。

 特に、①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等及び②賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。

★ポイント
同居の親族のみを使用する事業については、労基法は適用されません。

理由
 いわゆる家族経営についての事業は、当該家族の私生活と仕事との区別が不明確であることや、労働時間等の労働条件の厳格な規制を除外する必要があること、また、労基法の罰則や行政上の監督の対象とするのは円滑な親族関係の維持という点からも妥当でないことを考慮したものといえます。

家事使用人

 家事使用人であるか否かを決定するにあたっては、従事する作業の種類、性質の如何等
を勘案して具体的に当該労働者の実態により決定すべきものであり、家事一般に従事している者がこれに該当する。
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者も家事使用人である(労働基準法は適用されない)

個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われて、その指揮命令の下に当該家事を行う者は家事使用人に該当しない

★ポイント
実質的に誰の指揮命令下にあるのかという点で考える。

 

適用除外のまとめ

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