労働基準法違反の契約(法13条)|労働基準法

 

労働基準法違反の契約(法13条)

労働基準法

 法第13条は、労働契約で法律よりも低い労働条件を定めて労働者に不利となる場合には、その部分を無効にして法律に従わせるための規定です。(部分無効
  逆に、労働契約の中に法律よりも有利な部分があれば、その部分については労働契約が有効となります。結局、法律と労働契約を比べて、違いがある部分については、労働者に有利な方が有効となりますようにしています。
 

労働基準法違反の契約(法13条)

 労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、労働基準法で定める基準による。

趣旨

 法第13条は、最低労働条件の確保を目的とする労働保護法規としての本法の性質上、本法を強行法規とし、労働契約中本法の基準に達しない労働条件を定める部分を無効とし(強行的効力)、さらに無効となった部分を本法所定の基準で補充すること(直律的効力)を定めたものである。
労働契約すべてを無効とするのではなく、労働基準法が定める基準に達しない労働条件を定めている契約部分だけを取り出して無効とし、その契約部分だけを法定の基準に置き換えるという趣旨である。これを「部分無効」という。

「労働条件」とは

 法第13条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間はもちろんのこと、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件をすべて含む労働者の職場における一切の待遇をいう。

その部分については無効とする

 労働基準法に違反する労働契約中法定基準に達しない労働条件を定めている部分のみを無効としたものである。したがって、その無効とされる部分が労働契約の主たる内容であり、その部分が無効とされることによって労働契約を存続させる意義がなくなるような場合であっても、民法の一般原則と異なり、法定基準に達しない部分のみを無効とし、残りの部分はこれを有効とする趣旨である。
例)「年次有給休暇は雇入れの日から起算して3年目から与える」
        ↓
と規定していても無効となり、
労働基準法第39条に基づいて『年次有給休暇は6ヵ月経過後から与える』となります。
<労働基準法  第39条>
使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

判例

採用内定と労働契約の成立

 社員募集に応募した学生に対し採用内定通知をした場合、その者の誓約書の提出と相まって、誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認める。
                   (最二小昭和54.7.20大日本印刷事件)

採用内定の取消し

 採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが社会通念上相当として是認できるものに限られる。                                   (同上)
 

試行雇用契約と試用期間

 使用者が労働者を新規に採用するに当たり、その雇用契約に期間を設けた場合において、その設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときは、右期間の満了により右雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き、右期間は契約の存続期間ではなく、試用期間であると解するのが相当である。

(補足)
 試用期間とは、採用後に従業員としての適格性を観察・評価するために企業が設けた期間であると解される。試用期間中は、基本的に解約権留保付労働契約が成立していると考えられ、試用期間満了時の本採用の拒否は、法的には労働契約の解約、すなわち解雇にあたるので、客観的合理性と社会的相当性が双方ともなければ、解雇権の濫用として無効となる。                          (最三小平成2.6.5神戸弘陵学園事件)

 

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