【過去問】労働基準法の総則に関する問題(2018年:問4)正答率90%台|労働基準法

2018年【問4】

労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 労働基準法第1条にいう「人たるに値する生活」には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この「標準家族」の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、「配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの」とされている。

イ 労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。

ウ 労働基準法第4条の禁止する賃金についての差別的取扱いとは、女性労働者の賃金を男性労働者と比較して不利に取り扱う場合だけでなく、有利に取り扱う場合も含まれる。

エ いわゆるインターンシップにおける学生については、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合でも、不測の事態における学生の生命、身体等の安全を確保する限りにおいて、労働基準法第9条に規定される労働者に該当するとされている。

オ いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。

A (アとイ) B (アとウ) C (イとエ)  D (ウとオ) E (エとオ)

 

正解 D(ウとオ)

ア × 法1条、昭和22.9.13発基17号、昭和22.11.27基発401号。標準家族の範囲は、その時その社会の一般通念によって理解されるべきものであるとされている。

イ × 法3条、昭和63.3.14基発150号。法3条の「労働条件」には、解雇に関する条件も含まれれる。したがって、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないが、労働協約、就業規則等で解雇の基準又は理由が規定されていれば、それは労働するに当たっての条件としての同条の「労働条件」となる。

ウ 〇 法4条、平成9.9.25基発648号。差別的取扱いには、女性であることを理由として、“賃金”について有利な取扱い(「逆差別」という)をする場合も含まれる。
男女同一賃金の原則(法4条)参照

エ × 法9条、平成9.9.18基発636号。一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。したがって、設問のように、「使用従属関係が認められない場合でも、不測の事態における学生の生命、身体等の安全を確保する限りにおいて、労働基準法第9条に規定される労働者に該当する」とは解されていない。
インターンシップ制度とは、学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うことです。 
企業等と学生の間に使用従属関係等がある場合、労働関係法令が適用されることがあります。
労働者の定義(法9条)参照

オ 〇 法11条、平成9.6.1基発412号。ストック・オプション制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労基法11条の賃金にはあたりません。ただし、ストック・オプションは労働条件の一部であり、また、労働者に対して当該制度を創設した場合、労基法89条10号の適用を受けるものであり、就業規則に定める必要があります。
賃金の定義(法11条)ストックオプション参照

 

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